人工知能とインターネットと教育と - 深田萌絵 本人公式

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人工知能とインターネットと教育と



昨日はね、人工知能の講演を聞いた。
すごく面白かった。

人工知能の分野にはすごい投資がされているけど、まだまだ課題は解決されていない。
先日も、ディープラーニングを取り入れて人工知能の研究を始めたという方に会ったが、一年近く前に始めた研究が殆ど進んでいない。ビッグデータ解析の企業とタッグを組んだけど、それでも評価するにまですら至っていないとぼやいていた。

どうして人工知能にビッグデータなのかというと、人工知能はデータベースからの学習に重きを置くのだけれど、その膨大なデータベースを読み込んだり解析したりするのにビッグデータ処理の技術が必要になるからだ。

このデータの読み出しとか書き込みにも物理的ボトルネックが既に生じているのだけど、それは今度ネタにします。

人類がビッグデータで頭を悩ますのは、日本の放送業界が4k放送につまずいたのと同じで大容量になってしまったデータを取り扱う技術が難しいというところに端を発している。

ディスプレイ屋さんに行くと4kの試験放送を表示しているけれど、元々大きかったデータの圧縮過程でエラーやノイズが大量に発生し、4Kの有難みが今一つ感じられないという残念な結果になっている。それは、4kが果たして収益化できるのかという業界の疑問にこたえきっていない形となり、それが相乗効果で4Kが伸び悩んでいるという結果である。

というビッグデータの話はおいておいて。

昨日は、IBMのワトソン開発において自然言語の研究をしていた方の講演を聞いた。

ワトソンがアメリカでの人気クイズ番組ジョパディで連勝王に勝った話と、ワトソンを学習させる過程の話や勝率計算の話、ダブルポイントが出るパネルの確率の計算の話なんかもすごく面白かった。

ジョパディでワトソンを学習させるときの話でちょっと質問をした。

仮に、人工知能がインターネット上のデータをクローリングして集めてきたデータを基に学習をさせた時に、人工知能はネット上の明らかな嘘をデータベースから弾く能力があるのかという質問だった。

彼の回答は、ネット情報の信頼性は相互リンクの数とか、アクセス数とか、そういった定量的なデータから求められるというものだった。それも確かにそうなんだけど、与えられた定性情報の明らかなる矛盾点を論理で見抜くことはできるのかという、そういう形の質問で再度聞いてみたんだけど、ある一定以上は難しそうな感じでした。(彼の専門外の可能性もある)

私は専門じゃないけど、耳年増的に推論すると、この学習の課題は、人工知能がパターンの認識という統計に依存している部分で、(うちもパターン認識に関してはまあまあ強いんだけど)、時間軸とか空間認識とか人間が自然に体得できる経験知から構成される論理から外れた矛盾をどう取り扱うのかという部分だ。

データベースが膨大になっていくと処理に負荷がかかるので、入ってきた情報に対してフィードバックを掛け続けて明らかな偽情報であると認識された段階でその情報を外して、データベースを再構成するというデータバンク的な機能が必要となってくる。

あとは、人工知能が育つまでは、インターネットの情報で無くて、箱入り知能で育てなければならない。人間と同じで、子供をインターネットで育てるのではなく、書籍や辞書でまず世界のモデリングとなるベースを築いて自ら審議の判断ができるようになってから雑多な情報に触れさせる。そう、人工知能に何を選ばせるかという段階で、人の手が介入しなければ優れた知能の人工知能にはなってくれないのだ。

なぜ、そうする必要があるかというと、インターネット上の情報は単なる噂話や広告が多いので、ネットで学ばせてしまうとあっという間に「ある人種が嫌いだ」とか「人類を抹殺してやりたい」と回答する人工知能になってしまうからだ。

そう、怖いのは判断基準が育たないうちにインターネット上の偽情報に晒されると、人工知能ですら悪影響を受けるのだ。

それは、人間と同じで、判断基準が育つまでは与えられた学習環境&環境の影響が強く出てしまう。(素質や本能の部分もありますが)

何を学ぶか。
それが、意思決定を構築するベースになってくる。

私が人生で一番仲良しだった人は、ある会社でクォンツ型のファンドマネージャーをやっていたのだけれど、「人工知能に相場を学ばせるのが難しい」といつも頭を悩ませていた。

1985年から1989年までの強烈な上げ相場を学ぶか、1990年から1999年までの強烈な下げ相場を学ぶか、2000年以降のたまにトレンドは出るけどすぐに利食い売りで上がったり下がったりする相場を学ぶかで、人工知能は判断を変える。

上げ相場を学んだ人工知能は常に強気のポジションを取り、下げ相場を学べば空売りばかりをする人工知能となるのだ。

また、異常値の取り扱いでも、頭を悩ませた。どれを異常値と判断し、何をゴミデータとしてデータベースの数字から外していくという作業も丁寧に行われていた。

たいていは学びすぎることによって、判断を誤るようになる結果になってくる。
それは人間にも言えることで、何度も失恋を繰り返すと恋に臆病になって、異性を避けるようになったり、興味が無いそぶりを見せるようになったりする。

でも、そうならない人もいる。
それは、人間だから。

人工知能が持っていなくて、人間が持っている機能で素晴らしいもの。

それは、忘却という機能なのだ。

続く


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