鴻海シャープ 残るシナリオ(3月8日)

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こんにちは。
深田萌絵です。

2月24日のシャープの偶発債務事件、25日取締役会満場一致で鴻海事件を経て、鴻海によるシャープ買収ニュースはクライマックスを迎えたかのように見えますが、ここからが正念場です。高橋社長の中国行きの後に3月7日には調印という話で落ち着きました。

ところが、3月7日の報道では、再度契約調印の延期を要請となっています。一説では九日と言う説です。

シャープのIR発表資料を見ていると、偶発債務になるであろう裁判の和解を着々と進めており、この十日間でも二件も和解しているのですが、それでも3500億円分の偶発債務(将来発生する可能性のある支払い)解消には程遠い様子だったので、どうなる事かと思っていましたが予想通り調印延期となりました。

5100億円返済タイムリミットの3月末まで3週間となりました。
この時点で契約調印もなく、産業革新機構が手を引いたというのもクリティカルな状態です。

3月9日に契約調印で資金借りて買収をするという正当なシナリオもあるでしょうが、一つのシナリオとして鴻海は時間稼ぎをしてシャープを債務不履行に追い込もうとしているようにも見えます。

3月末までにシャープの救済が決まらなければ、民事再生OR会社更生に基づいて『100%減資=既存株主全滅』の路線が濃厚です。そうなると、管財人として経営陣が残りながら、スポンサーを得て再生を行なうという法的処理になります。そうなってしまうと、全くエルピーダと同じ運命です。

会社更生法と民事再生法の違いは、前者が経営陣を廃して管財人による再建になるのと、後者が経営陣を残したままの再建となることです。エルピーダメモリは後者でしたが、シャープは会社更生法かもしれないと考えています。

2月末のシャープの社長は鴻海との中国密談後から辞任を仄めかしているので前者を利用するケースを想定しているかもしれません。それと、以前に台湾のテレビで鴻海テリーゴウ氏が「シャープの100%株主になる。1000億円で買える」と話していたことです。

その言葉の意味を深読みすると、水面下でシャープを倒産に追い込み、民事再生OR会社更生で銀行からの借金を棒引きにして、管財人としてテリーの配下の人間を送り込み、堺ディスプレイ工場を担保にして借りる500億円+与信枠でシャープのスポンサーになり、太陽光発電事業は即時に売却してサッとキャッシュを得る。鴻海精密工業としては一切身銭を切らず、銀行への借金も返さずに100%シャープを配下に納めるというシナリオです。買い手としては、これがキャッシュアウトも無駄な債務も引き継がないベストシナリオです。

鴻海側のシャープ倒産へ追い込んで乗っ取る可能性を防止するには、やはり当て馬が必要です。産業革新機構にお願いするか、政府系に話を持ち掛けるか準備をしておかないと、鴻海側から梯子を外された時に、シャープが切れるカードが少なすぎるという危険性をはらんでいます。


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