第14回戦 マイケルを捕まえろ! - 深田萌絵 本人公式

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第14回戦 マイケルを捕まえろ!

アルファアイティーシステム社長、藤井一良からの訴え、第一回期日が始まった。
法人取引だったのに、藤井は私とマイケルを個人で訴えてくるという卑怯な手段を取ってきていた。
「法人取引だろうが」
契約書を読み返しながら深田は裁判所へ向かう準備をしていたが、肝心のマイケルの姿がない。
「エリちゃん、マイケルまだだよね?」
「いま、マイケルさんと電話中です」
エリは受話器を深田に渡した。
「マイケル、遅刻するよ。どこにいるの?」
「弁護士が行くから俺は行かなくていいだろ?」
「だったら私も行かなくていいよね?」
裁判所なんて、できれば行きたくない。
「ダメだ。殆どの弁護士は顧客を敵側に売るから、裏取引されないようにお前は出席しろ。あと、傍聴席に注意しろ」
そう言って、電話はプツリと切れた。
深田はガチャンと受話器を置き、
「いざという時に逃げ出す上司どう思う?」
とエリを振り返ると、
「逃げない上司を見た事ありません」
と彼女は答えた。
タクシーで裁判所に向かうと、あまりの汚なさに驚いた。古ぼけたコンクリートの建物にリノリウムの床、ドラマで見る大理石にステンドグラスの建物とは大違いだ。
傍聴席には3人の男が既に座っていた。
一人は梶原利之、一人は部下の宮西弁護士、もう一人は見覚えの無い男だった。
小綺麗なグレーのスーツにシルバーのピンバッジをしていた。弁護士のピンバッジは金色の菊の御紋なので、見知らぬ紋章だ。
万年筆に虫眼鏡のモチーフは企業のロゴマークデザインにも見えない。日本の家紋の辞典でも見た事が無い形状だ。
『おかしいな…』
深田は美大の頃にロゴデザインの授業に潜ったり、紋章学の授業に潜ったりしていたが、ロゴでも家紋でも無い奇妙な気分に取り憑かれた。
「深田さん、アルファアイティーシステムは法廷へ入ってください」
鈴木書記官の声で深田は我にかえる。森川紀代弁護士は先に被告席に着席していた。
第一回口頭弁論は次回期日を決めるだけの簡便なもので、ドラマのように弁護士同士が激論を交わすこともなく拍子抜けした。(因みに裁判で弁護士が激論を交わすのを、未だかつて見た事は無い。恐らく書類文化の日本人がまともに討論できるなら、外交もうまくいっていたはずだ)
帰り道、タクシーを拾ってエリに電話した。彼女だけが心の支えだ。
「萌絵さん、どうでしたか?」
「いや、次回期日決めただけで、数分で終わった」
「変な人、来てませんでしたか?」
「変な人はいなかったけど、変なバッジの人はいたね」
「どんなバッジですか?」
「あとで絵にして送るよ。とりあえず、気疲れしたから帰って寝るわ。あとよろしく」
「お疲れ様でした」
電話を切った後、深田はサラサラと虫眼鏡と万年筆のバッジの絵を描いてエリとマイケルに送った。
自宅に戻り、ソファに横たわるとマイケルから電話が入った。
「万年筆と虫眼鏡は台湾調査局のバッジだ」
「台湾調査局?」
「そうだ。台湾の諜報機関。青幇の戴笠が設立した。馬英九はまだ俺を探している。藤井がコンタクトしたんだろう」
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/戴笠
「台湾調査局ってこんなバッジ?」
「表向きは違う、裏任務のバッジはそれだ。俺はしばらく東京には入らない」
そう言ってマイケルの電話は切れた。
「超自分勝手なヤツ…」
深田はスマホを置いて目を閉じた。
とにかく、疲れたのだ。
ピンポーン
とインターホンの音で目覚めた。
窓の外は真っ暗だ。時計を見ると既に六時。
ピンポーン
慌ててインターホンの画面を見ると、スーツ姿の男が茶封筒を持って立っている。
「え?誰だろう?」
深田はあまりインターホンに応答しない。変な勧誘だったら嫌だからだ。
ただ、男は宗教の勧誘にも、集金にも見えない。小綺麗なスーツ姿なのだ。
「あれ?」
スーツの胸元に見覚えのあるピンバッジが付いている。万年筆に虫眼鏡。
深田はサッと顔色を変えた。
マイケルを追っている台湾調査局?
なんだ、これ、
藤井一良は早稲田大学時代に偶然知り合っただけの友達じゃなかったのか。
ハーフチャイニーズだとは聞いていた。
その彼が、マイケルの設計を盗み、旧友を訴え、ファーウェイを使い、台湾調査局まで派遣してくるって、いったい何なんだ。
こっちは金も権力もない個人だ。
相手が国家だなんて冗談じゃない。
正気になれ、
猫パンチで戦車と闘ってるようなものだぞ、深田萌絵。
この勝負、絶対に勝ち目はない。
深田の運命やいかに…
続く
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