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夢を見た。

ムーランの親友となって、一緒にトルコ族と戦う夢だった。

ガサツで、社会では受け入れられなかった私達の唯一生きられるのは皮肉にも戦場だった。

泣き虫な彼女は強かった。

何よりも、誰よりも生きることに真剣だった。

戦争が終わる頃、彼女は隊長だった王子について宮廷へ入ってしまった。

自分はというと、また根無し草で子ども達に剣を教える仕事で日々を賄った。

恋人は現れては消え、現れては消えた。与えられた何かを受け入れられない性分が自分を孤独へと追いやっていることを学ぶ頃には女として年を取り過ぎていた。

ある日、御輿がやってきて扉が開くと美しい高貴な姿の女性がこちらを見ていた。

見知らぬ貴婦人に自分の名前を呼ばれたので驚いたが、声でそれがムーランだとやっと分かった。

どうしたの?

と、聞くと、彼女は宮廷へ入って幸せになったので、自分にもいい縁組を用意しているから宮廷へ入るように言った。

とんでもない。

と首を振った。
自分には合わない。

それが貴女の為だから。

と彼女は微笑んだ。
瞳の奥は冷たく私を映していた。

そんなこと、望んでない。

と応えると、

いつまでそんな惨めな暮しをするの?

と彼女は言った。

私たちオンナは所詮オトコに寄生しないと生きていけない寄生蟲なのよ。

と彼女は呟いた。

突然辺りは暗闇になり、雷鳴が轟いた。

強い風が吹いた。

長い間一緒に闘ってきた彼女の闇を自分は何一つ理解していなかったと知った。

そんな。

そんな。

確かに、苦しい闘いの日々だった、でも、一生懸命生きたじゃないか。

泣きながら、命を懸けて。

馬鹿馬鹿しい強がりを言いながらも、弱虫だと自己嫌悪して、涙してたあの頃。

懸命に弱い自分と闘い続けた。

強くて、勇気があって、明るいムーランだったじゃないか。

そんな君を寄生蟲だなんて、誰がそんな心無いことを。




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真珠と原発


長い長い夢を見た。


photo:01



気が付くと人魚になって、誰も知らない海の底で横たわっていた。岩の上で、眠っていたようだ。

ここは寒い。

海藻も生えず、魚たちもいない。

あの事故の後から、賑やかだったこの場所は海の廃墟となり、父が建てた海底神殿には自分以外の人魚はいなくなった。

「独りぼっちになる」

photo:02



神殿を飛び出して南へ向かった。

ともかく、ここは寒い。

暫く行くと遥か先に黒い塊が浮いて光を遮っているのが見えた。あたりはだんだんと暗くなって、目が慣れるまで進むのは危険だと思った。

暗闇のトンネルで天井に触れると、一部が剥がれ落ちて腐臭がした。これは、岩ではない。無数の魚の死骸だ。

恐ろしくなって、一刻も早くここを立ち去りたくなった。

尾びれを大きく振って、手で海をかきわけ、僕は泳いだ。

何百メートル、いや、何キロも魚の死骸が続いて、そこは世界の終わりのように感じられた。

とかく、僕は大陸へ向かった。

少なくとも海は死んだ、大陸はどうなっているのだ?

大陸に近づくと、いくつもの漁船が海原を走っているのが見えた。

こちらは無事なようだ。

漁船に見つからないように深く潜り、人工島へと静かに近づいた。

悲鳴が聞こえた。

声の方へ近寄ると、海の底に山と積まれた貝殻の残骸が見え、どれもこれも口をこじ開けられては食べるわけでもなく身が付いたまま捨てられていた。

そばには、吊られた網に入った真珠貝たちがこちらを見ていた。

「助けて。無理やり口の中に人工の真珠核を入れられて、息をする度に酷く痛むの」

「痛いよ」

「助けて」

貝たちは口々に助けを求めた。

「昔は真珠を取る時には、島の人たちは私達を傷付けないようにしてくれていたわ」

「新しい人達が来てから、島は四角くなって、何もかも変わった」

ぽちゃん

と、海上からぎゃーと悲鳴をあげてまた一つの貝が落ちて来た。

彼女は息も絶え絶えで僕に呟いた。

「人間に真珠の首飾りを作るのをやめさせて」

「人間になって、人間たちをとめてきて」

カゴの中の真珠貝たちも叫んだ。

「どうやって?」

photo:03



「この契約書にサインするんだよ」

突然あたりは真っ暗になり、振り返ると何時の間にか岩の上に一枚の契約書があった。

「取引をしましょう。人間になって真珠狩りをやめさせられたら貴方は人魚に戻れる」

「できなかった場合は?」

「放射能汚染を濾過する貝たちは絶滅して、世界は死の海となるでしょう」

契約書が目の前に立ち上がり、僕の指先は何者かによって切り裂かれて血のサインを求められた。

「さぁ」

「さぁ」

震える指先を紙へと伸ばす。

紙に指が触れるか否か、島が大きく揺れ、バリバリとコンクリートの壁が二つに割れて水が溢れ出す。

地震だ。

photo:04



あっという間に濁流に呑み込まれ、僕は何処かへと連れ去られる。なんだろう、なんだか呼吸が苦しい。

意識が遠のく。

そういえば、昔、契約書にサインをした人魚がいたと聴いた。

彼女はどうなったのか、物語の結末は語り手寄って異なり、真実は分からず仕舞いだ。

この契約は、何を意味するのか。

地球を守ることが本当に大切なことなんだろうか。誰もいない海の底で一人生き延びることに意味はあるのか。

例え、海が綺麗になっても、地上の森林は荒らされ放題で、地球の浄化システムは働かないだろう。

そんなことより、

僕は本当に、

契約書にサインをしたのだろうか。






サブリナはネコ

今日は萌絵先生の家族の話をしましょう。
ネコのサブリナは女の子です。
目つきは悪いですが、優しいのでうりぼう達といつも仲良く遊んでいます。

photo:01



同じネコ仲間のミッシェルとはあまり遊びません。だって、ミッシェルときたら本当に余計なことばかりを言ってみんなを怒らせるものだから、サブリナは口も聞きたくないのです。

photo:02




ところが、サブリナがうりぼうから足を滑らせて落ちた瞬間のことです。ミッシェルが喜んで飛んできて、

「サブリナはネコのクセにうりぼうに爪を立てないから落ちるんだよ!」

と囃したてました。
サブリナは、

「うりぼうちゃんに爪を立てたら、自分は助かってもうりぼうちゃんが怪我するじゃない!」

と怒りました。
サブリナはとっても優しいですね。それなのに、ミッシェルと来たら、

「なんだよ、そんな目つきのクセに、優しいオンナぶるなよ!」

「なんですって!そんなに爪を使って欲しけりゃ、あんたに使ってやるわ!」

優しいサブリナもさすがに激怒してミッシェルに掴みかかりました。

photo:03



「もっとやれー」

「サブリナ負けるなー」

うりぼうの兄弟たちは喜んでケンカを観戦しています。

でも、ついにはイノシシのお母さんが出て来て、

「いいかげんにしないと、私のツノで串刺しにするわよ!」

とどなりました。

ミッシェルとサブリナはピタッと止まりました。

自分たちは、爪があってもただのネコ。イノシシにはかないません。


サブリナは一人でお部屋に帰るときに後悔しました。相手が悪いって言ったって、挑発に乗った自分がバカだったかもってね。


サブリナはもえちゃんに、どうしてミッシェルなんかとお友達なのって、聞きました。

もえちゃんはこう答えました。

「大人になったら、ケンカできる友達いなくなるから必要なんだよ」

って。


ー友達って仲良くやるほうがいいんじゃないの?

と、いつも気を使ってばかりのサブリナは思いましたが、確かに本気で怒れる友達ってミッシェルしかいないもんねとも思いました。

「ミッシェルに謝ろうかな…」

サブリナはつぶやきました。

「謝ったら、余計にムカつくし、どうせあいつは覚えてないから、サブリナも忘れたらいいんじゃない?」

サブリナは聞いた自分がバカだったと、また思いました。

でも、友達ってそんなもの。

iPhoneからの投稿

サブリナは女の子2

深田萌絵 公式ブログ-20120116203519.jpg


サブリナはミッシェルに目つきのことをバカにされてから、とっても悔しくて、隠れて泣いてしまいました。

サブリナは、自分は目つきが悪くて強そうだと思われがちですが、とっても繊細な女の子です。自分の顔にサブリナなんて、映画のヒロインみたいな名前は似合わないなんてことも分かってます。

でも、それでも女の子です。

たまには泣いてしまいます。

もえちゃんは、サブリナに言いました。

「ミッシェルはバカだし、いつもえらそうだし、イヤなこともいうヤツだけど、私にウソをついたことの無いんだよ。本当のことしか言えない正直者なんだ」

って。

サブリナは、ワッと泣き出しました。もえちゃんは慰めようと思ったのですが、空気が読めないので余計なことしちゃったみたいです。

もえちゃんはバカだから繊細な女の子って苦手!逆に泣かせてしまって、仕方なくイノシシのお母さんにサブリナを慰めるように頼みました。

「サブリナ、泣かなくていいのよ。男の子が素敵だなって思う女の子のチャームポイントって、本人がコンプレックスに思ってるところって決まってるんだから」

サブリナは信じませんでした。

「本当よ、私なんて身体が大きいし、鼻なんてブタみたいだし、それなのに毛むくじゃらで男の子にモテないって思っていたの」

サブリナは振り返りました。

「若い男の子にはモテなかったけれど、おかげで私のことを本当に大事にしてくれる成熟した男と出会ったの。彼ったら、私が理想的なタイプで普通のツルツルのブタは好きじゃないんだって!それで、子供がたくさんできたのよ」

サブリナは少し笑いました。そして、涙も止まったようです。


テレビの陰からイノシシのお母さんとサブリナの様子を見ていたもえちゃんとミッシェル。

「あーあ、全くお前ってヤツはオンナのクセに本当にオンナ心の分からないバカだよな」

とミッシェルは反省の色も無い様子。

もえちゃんは、なんでこんなのが親友なんだろうと思いましたが、自分も悪気無くサブリナを泣かせたんだからミッシェルのこと、やっぱりどこか似ているのかなと思ったそうです。

類は友を呼ぶって言いますからね!!

アレックスは男の子

深田萌絵 公式ブログ-20120116190814.jpg


深田さんの家には、イギリスで知り合ったオランウータンの赤ちゃん、アレックスがいます。

ある日、もえちゃんが会社の研修でロンドンに行かなくてはいけない時に、猫のミッシェルは言いました。
「お前はよ、どうせ一人で研修に行くのは寂しいから俺についてきて欲しいって言うんだろ?」

ミッシェルは口が悪いけど、もえちゃんが二十歳の頃からの親友で、海外に行くときはいつも一緒、大学受験の時も一緒でした。

もえちゃんは図星でした。そして、大人になったのに、寂しがり屋でちょっと恥ずかしいと思いました。

「そんなことない。もえはミッシェルなんかについてきて欲しいなんて思ってないよ」

なんて強がって、梅雨のロンドンへ会社の人たちだけと行きました。

最初の一週間は平気でした。でも、言葉も不慣れ、そして不慣れな街でお友達もいないし、もえちゃんはミッシェルを誘わなかったことをとっても後悔しました。

もえちゃんのクラスは、会社のなかでも特別なクラスで日本人は一人だけ。そして、一緒に来たはずの仲間とも引き離されて寂しい土日を過ごしました。

寂しくて、当てもなくロンドンの街を歩き、気晴らしにオバマの奥さんが好きなジミーチュウの靴でも買おうとハロッズへ向かいました。

ハロッズはイギリスでも名門の高級デパートで、はっきり言ってもえちゃんの当時のお小遣いで買えるものはあんまりありません。(お小遣いの額は内緒ですって!)

何にも買えるものもないし、つまんないなと思っていたもえちゃんは間違っておもちゃコーナーへ入ってしまいました。

そうすると、ジャングルのデコレーションのなかに一匹のオランウータンの赤ちゃんがいました。

もえちゃんが恐る恐るオランウータンの赤ちゃんを抱っこしてみると、赤ちゃんはつぶらな瞳でもえちゃんを見つめます。

値札を見ると、なんと七千円もして、もえちゃんがそれまでに集めた動物たちよりも遥かに高い値段です!
でも、もえちゃんは意を決してレジに向かいました。もしも、もえちゃんが買ってあげなかったら、この子はずっと一人ぼっちかもしれないと思って。

オランウータンの赤ちゃんを抱いて帰ると、会社の人は大笑い。だってもえちゃんは大人ですから。

これがもえちゃんとオランウータンのアレックスとの出逢いです。

もしも、ミッシェルが優しい子で、もえちゃんが意地っ張りじゃなかったら、こんなに可愛いお友達とは出会えなかったかもしれませんね!
プロフィール

fukadamoe

Author:fukadamoe
深田萌絵(41歳)本名 浅田麻衣子
IT企業経営の傍ら、ITビジネスアナリストとして雑誌へ寄稿。

チップソリューション、自動車向けLidar代替ソリューション、3D認識システム、リアルタイムAIソリューション提供。
深田萌絵取材・講演依頼→moe.fukadaあっとまーくyahoo.com
開発・技術相談→infoあっとまーくrevatron.com


美術短大現代絵画科準学士、早稲田大学u政治経済学部国際政治経済学科卒。

TOEIC890、HSK5級、証券外務員一級、内部監査員、陸上特殊無線技士2級、航空特殊無線技士、マイクロソルダリング講習受講(資格未取得)。

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